Voodooシリーズ紹介

 

 一般的にVoodooシリーズのファンページなどでは、3D専用であった初代Voodoo GraphicsやVoodoo2の紹介に重点が置かれていますが、このページではこの二者については触れません。なぜならこのページでの主目的は「PC-98で」Voodooを動かすということ、すなわち、PCIスロットの本数が少ないPC-98シリーズで3D専用ボードでスロットを一本消費してしまうことは著しく実用性を落とすことになると思われるからです。

※本ページ中の画像は、クリックすると実寸表示されます。

1.VoodooRush(I-O DATA GA-RUSH6/PCI)
GA-RUSH6/PCI外箱  Voodooシリーズ初の2D表示対応製品は、2D表示用チップと組み合わせることを前提にしたVoodoo Rushでした。日本で流通したほぼ唯一の製品といっても良いのが、このGA-RUSH6/PCIでした。
 2D表示部にはAlliance ProMotionAT25を採用し、2D表示用に4MB、3D用に2MBのEDO画像メモリを持つ製品で、当時としては高い3D表示能力を持ちます。しかし、先行製品の初代Voodoo Graphicよりも3D表示能力に劣り、またGlide等の互換性も完全ではなかったこの製品は、市場に広くは受け入れられませんでした。
 I-O DATA製品だけあり、PC-98シリーズを正式にサポートし、Direct3Dの能力に関しては当時人気が高かった3DLabs PERMEDIA2をも凌いでおり、個人的にはそう酷評されるほど悪い製品ではなかったと思っていますが・・・。

←GA-RUSH6/PCI(の外箱)


2.VoodooBanshee(I-O DATA GA-VDB16/PCI、Melco WGP-FX16Nなど)
GA-VDB16/PCI  二世代目となるVoodoo2の大ヒットを受け、Voodoo2相当の3D性能に2D表示機能を内包したVoodooBansheeが開発されると、PC-98シリーズ対応製品であるGA-VDB16/PCI、WGP-FX16N/FX8Nが発売されます。3Dfxという名前とは裏腹に、実は極めて高い2D性能を誇るのが特徴でした。
 この製品に関しては今なおWindows9x上ではPC-98最強のビデオカードといわれており、皆さんもよくご存じのはずですので、説明は割愛します。
WGP-FX16N

←I-O DATA GA-VDB16/PCI

Melco WGP-FX16N→


3.Voodoo3
Voodoo3 3000 AGP(SDRAM)
↑Voodoo3 3000 AGP(SD)
 セールス的にはまずまずだったVoodooBansheeの後継製品で、この製品からはチップ単体の販売は原則として行わず、3dfx(ここから「d」が小文字となります)買収したSTBが製造を担当することになります。内部資料ではAvengerというコードネームで呼ばれたり、Banshee2という呼称が使われたりもしましたが、最終的にはVoodoo2の次世代製品であることを思わせるようなVoodoo3という名前で発売されました。
 当初はコア/メモリクロック166MHzのVoodoo3 3000とコア/メモリクロック143MHzのVoodoo3 2000の二種類が発表され、その後最上位モデルでTVチューナーを持つコア/メモリクロック183MHzのVoodoo3 3500TVが追加、さらにモデル末期にはコア/メモリクロック125MHzのVoodoo3 1000も発売されています。さらにSTBブランドで発売されていた廉価製品Velocity100もVoodoo3チップを採用していたようです。
 写真を見ればすぐにわかりますが、初期のSDRAM採用のVoodoo3と後期のSGRAM採用Voodoo3とではボードレイアウトの洗練度などが明らかに異なり、画質の差もかなりあります。もし機会があるなら、SGRAM採用版を使ってみると面白いでしょう。

 なお、Voodoo3は元来Banshee2と呼ばれていただけあり、VoodooBansheeとの互換性が高く、プログラミングガイドによるとBIOS、ドライバレベルでは完全な互換性を保っているということです。現状ではPC-98シリーズではWindows2000専用となっていますが、ドライバさえ開発できればほぼ確実にWindows9xでの運用も可能となります。というか、実際に確認済みです。ドライバそのものや作成方法は、著作権の問題があり公表できませんが。

 最初にチップの外販は行われなかったと書いてありますが、3dfx解散間際にサードパーティへのチップ供給が再開され、C.P.technology(PowerColor)などから独自ボードも発売されていた記録があります。
EvilKing3 AGP

 

PowerColor EvilKing3(Voodoo3 3000 AGP相当品)→

Voodoo3 3000 PCI(SDRAM)
↑Voodoo3 3000 PCI(SD)
Voodoo3 3000 PCI(SGRAM)
↑Voodoo3 3000 PCI(SG)

4.VSA-100(Voodoo4/Voodoo5)
Voodoo5 5500 PCI(for Macintosh)
↑Voodoo5 5500 PCI(Mac)
 3dfx最後のチップとなったVSA-100(Napalm)を採用するのがVoodoo4/Voodoo5。VSA-100を一つ搭載するものをVoodoo4、複数搭載するものをVoodoo5と呼びます。実際に市場に主に出回ったのはVSA-100x1,SDRAM32MBのVoodoo4 4500 AGP/PCIとVSA-100x2とSDRAM64MBを搭載するVoodoo5 5500 AGP/PCIですが、サンプル版としてVSA-100x4とSDRAM128MBを搭載するVoodoo5 6000 AGPも少量ながら生産されており、マニアの間で極めて高い価格で取り引きされているようです。また、実際の製品が製造されていたか不明ですが、VSA-100x2とSGRAM32MBを採用するVoodoo5 5000 AGP/PCIなどの製品も企画されていたようです。
 このシリーズの最大の特徴は、Windows2000限定とはなりますが、PC-98シリーズ上で極めて優れた体感速度を示すことでしょう。3DMarkなどのベンチマーク上ではnVIDIA GeForceシリーズに水をあけられますが、実際の操作感覚やHardwareT&Lをサポートしない世代のゲームでは、私が使った限りでこれに勝るカードは未だにありません。

 VSA-100も基本的には外販は行われず、ボード生産はSTBのみが行っていましたが、やはり末期にPowerColorから独自ボードデザインの製品が発売されています。
EvilKing IV

 

PowerColor EvilKingIV(Voodoo4 4500 AGP相当品)→

Voodoo4 4500 PCI
↑Voodoo4 4500 PCI
Voodoo4 4500 AGP
↑Voodoo4 4500 AGP

 

 

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