PC-98でVoodoo3/4/5を使う

 

 ここではPC-98に正式対応している製品が存在する、VoodooRUSH、VoodooBansheeは除外し、Voodoo3以降の製品に絞って話を進めます。

T.Windows9xは諦めよう

 最低限の前提条件となるのがこれです。自分でドライバを最初から書くことができるのなら(或いはリファレンスドライバをPC-98動作可に改造できるのなら)話は別ですが、現状ではPC-98用のWindows9x上でVoodoo3以降を動作させられるドライバは公式には一つもありません。

 参考までに、BansheeとVoodoo3の間にはほぼ完全なドライバ互換性があり、またVSA-100とVoodoo3の間にも16bitColor以下においてはドライバの互換性があります。と、こう書くとBansheeドライバの流用でVoodoo3以降の製品も動くのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、現実問題として、存在する全てのVSA-100搭載ボード及び大多数のVoodoo3ではPC-98用Bansheeドライバは動作しません。(仮に動作するとしても、当然行為としては正当なものとはいえないのですが)

 動作しない理由を一言で言ってしまうと、PC-98に対応しているVoodooBansheeボードは全てSGRAMをビデオメモリとして採用しているのに対して、大多数のVoodoo3及び市場に出回っているほぼ全てのVoodoo4/Voodoo5はSDRAMを採用しているため、ドライバの動作モードに互換性がない、ということです。(リファレンスドライバではレジストリ内にSGRAMモードの有効/無効を切り替えるキーを記述することができます)
 メルコ製WGP-FXNシリーズのドライバなどは、構造的にはリファレンスドライバに極めて近いのですが、SDRAMモードでの動作を記述している部分がそっくり削除されているようです。


U.Windows2000なら割合楽に使える

 まず、PC-98+Windows2000でPC/AT互換機用ビデオカードを使うための前提知識ですが、この分野の大御所的な存在である、Noggyさんのページをまず読んでいただくことを強くおすすめします。

a.PCI製品をそのまま利用

 Matrox製品などはMacintosh版のBIOSを持つカードであれば無改造で使えるのですが、Voodooシリーズではこの方法は使えません。必ずPC/AT互換機用のVGA BIOSを用意して、改造を施しておきましょう。BIOSはこちらのページでダウンロードできます。改造方法は前述のNoggyさんのページをご覧下さい。(この改造を施さない場合は、PC-98ではメモリカウント終了後ハングアップします)

 VGA BIOSの改造が終わり、メモリカウント後、システムが起動することが確認されたら、まりもさん作の「VGAENB」を組み込みましょう。VGAENB.BINのカスタマイズについては、この場合は「0-Y-N-N」とすると良いでしょう。CHANGE AGP2PCIを挟んでAGP製品を使う場合には必要ないのですが、PCI製品を使う場合には必ずVGA BIOS改造+VGAENBによるVGA BIOSの出現が必要となります。

b.玄人志向 CHANGE AGP2PCI+AGP製品

 カードの固定以外の点ではこれが一番楽でしょう。ソフト的な設定は特に必要なく、VGAENBも必要ありません。Voodoo3 3000 AGP(SDRAM)以外はVGA出力コネクタの位置も問題ありませんが、デスクトップで使うならVoodoo4の一部ロット(LowProfileに近いサイズ)やPowerColor EvilKing IVなどが適当でしょう。

c.玄人志向 CHANPON ZERO2/3-PCIで利用(PCI/AGP共通)

 利用方法はPCI製品とほぼ同じです。基本的には、VGAENBの設定についてもPCI版とほぼ同様の形で使うことができます。但し、VGAENBの作者であるまりもさんはCHANPON ZEROシリーズではVGAENBを使うことは推奨されておらず、「CHACHA」というツール(VGAENBと同様にIPLWARE)でリソースの割り当てを行うように記述されていました。こちらでは現時点でCHACHAによる動作確認はとっておりませんので、詳細についてはここでは触れません。CHACHAもVGAENB同様、既に配布は終了しています。


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