庶民感覚の欠如

 先日の衆議院山口2区補欠選挙は、福田内閣にとって初の国政選挙として注目されていましたが、結果は民主党候補の勝利でした。個人的にはどちらの言い分にもあまりピンと来なかったのですが、まあそれでも妥当な結果でしょうね。

 揮発油税の件といい、後期高齢者医療制度といい、わずかな金銭の負担が死活問題となる庶民層の前で、首相自らが「国の財政のためなんだからその程度我慢しろ」などという言い方をしていては、仮にどれだけ理論的に正しいことを言おうとも、支持など得られるはずもありませんから。

 某バラエティ番組で橋下大阪府知事が明かしていましたが、立候補の際演説の方針についてタレントの島田紳助氏にアドバイスを求めたところ、「頭に訴えてもだめだ。情に訴えなければ聴衆は引き込まれない」と言われたそうです。特に選挙戦が冬場であったことから、「寒い冬にわざわざ家に帰る足を止めてまで聞いてもらおうとするなら、理屈をこねたところで聞き手には何も感じられない。その候補者がどこまで本気でしゃべっているということが伝わるかが大事」とも。選挙のプロであるはずの政治家よりもよほど核心を突いているように思います。

 揮発油税の扱いの是非そのものは別にして、今の首相や閣僚の話しぶりからは「その程度のはした金で目くじらを立てるなよ」という考えが明らかにわかってしまうのです。前述の通り金持ちにははした金でも、庶民にとっては死活問題という次元なのですが、元々それほど困窮した経験のない政治家に理解すること自体が不可能なのかもしれません。

 ただ、この問題も含めて政治家だけが悪いわけではないということを忘れてはいけません。何しろ、普段から彼らの態度をみて、それでも選挙で投票して政治家の地位を与え続けているのは、他でもない有権者の皆さんなのですから。もっとも、庶民の金銭感覚を理解できていそうな候補者を見つけること自体が大変なのですが…。

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このページは、JIVEが2008年4月28日 22:31に書いたブログ記事です。

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