自作PCが終わるとき

 Impress PC Watchに連載されている「笠原一輝のユビキタス情報局」に、なかなか興味深い記事が掲載されていました。詳しくは下記のリンクからご覧いただけます。

 チックタック時代に別れを告げるBroadwell ~タブレットにフォーカスしたBGA版SoCのみ、LGAは終焉へ

 この記事の掲載内容が正しいとすると、次世代Coreプロセッサとなる「Haswell」は従来とほぼ同様に提供されるものの、その後継となる「Broadwell」ではBGAパッケージのみの提供となるということです。

 これが何を意味するのかといえば、ユーザーやショップがCPUを選んでマザーボードに載せるという、自作PCではこれまで当たり前だった行為は不可能になるということです。さらにいえば、CPUクーラーなどの市場も当然成立しなくなるということになります。

 この記事では自作市場はCPUが搭載されたマザーボードを選ぶ形になると書いていますが、果たしてそうなるでしょうか。Windows8の方向性からも判る通り、規格化されたPCケースの中に好きな部品を詰め込んでいくというPC自体が存在し得なくなる前段階とみるのが正確ではないかと思います。IntelがUltrabookを強力に推進していることからも、PCの方向性をタッチパネルオペレーションをメインとした、スレートタイプのPCへと収斂させようとしているのではないかと思うのです。

 CPUの内蔵グラフィックも一時期のように単に映るだけという水準でもなくなってきましたし、一部のハイエンドゲーマー以外はハイパフォーマンスのPCを必要としなくなってきているという面もあります。全体の1%にも満たない彼らのために市場を用意する必然性があるのかといえば、それは明らかにNOでしょう。

 そうなってしまえば、現在のような自作PCという概念はもはや成立しません。せいぜいストレージの交換ぐらいしか自由はなくなるでしょう。そのような状況ではPCパーツショップなどという存在自体が不要となります。量販店の片隅に拡張ボード(TVチューナーボード等)とドライブの類が少し置かれているだけ、ということにもなり得るかもしれません。少なくともCPUが単品パーツとして存在しなくなるだけ、とは私には考えられないのです。

 PC趣味が成立する時間は、もうそれほど長く残されてはいないということなのかもしれません。

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 自作PCが終わるとき

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://jivesnet.homeip.net/mt/mt-tb.cgi/4210

コメントする

このブログ記事について

このページは、JIVEが2012年11月22日 21:02に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「MSI N670GTX-PM2D2GD5/OC」です。

次のブログ記事は「H-L Data Storage BH14NS48BL」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

最近のコメント

Powered by Movable Type 4.27-ja