我々が食えなくなる時代は近い
ネット上の掲示板等を見ていると、安倍信者たちの思考回路がよくわかります。
割と秀逸だったのがこんな内容です。
・民主政権時代より円高が是正され、株価も上がった
・世間全体でも仕事の量も増えている
・そのうち自分のところまで恩恵が回ってくるだろう(今はまだ無い)
この思考回路自体がもうアウトです。今恩恵にあずかれていないのであれば、この先も恩恵など無いのです。
まず株価=景気という思考回路自体があまりにも短絡的です。株価が上がるというのはあくまで株式市場に流入する金が増えているというだけのことであり、それは世間の景気とはイコールの関係ではありません。金を動かすことが商売という立場の人間たちが、短期的に稼げる条件があれば景気など関係なく流れてくるだけのことです。
そして、仕事が増えたという辺りですが、震災からの復興や消費増税前の特需なども含めて、一時的に増えたのは事実です。しかし、これは長期的に増える傾向なのか、あくまで特殊要因による短期的な増加なのかを見極められているのでしょうか。ここ数年は特殊要因が連続しているとみるべきであり、東京五輪が終わった後は目も当てられない状態へと陥る可能性が高そうです。日本は経済力や技術力を含め、確実に国力を落としているということを日本人は直視しなければいけません。かつてのような成長を期待するのではなく、何とかして可能な限り力を維持するというのが現実的な路線でしょう。
そしてそのうち自分にも恩恵が、などと考えている層は恩恵にあずかることはないという話ですが、これは前回書いた文章に概要を書いた通りで、このような層の人は1万円賃金が上がらない1万人の方に属する人です。
よくアベノミクスを肯定する人は、今業績が上がっている企業があれば、そこから経済の循環で他の分野に波及するという理論を持ち出すのですが、これはあまりにも物事を単純化しすぎた考え方です。
確かに景気が右肩上がりだった時代には、企業もある意味闇雲なまでの拡大路線をとることが多く、ある程度は正しい考え方でした。しかし、バブル崩壊を経て苦しんだ企業の多くは、今では稼いだ金を外には出さず内部留保や海外投資に回したりしますので、日本の末端にまでその金が循環する訳ではないのです。稼いだ企業では確かに従業員の賃金も多少は上げていますが、実質的な物価上昇率と相殺される程度でしかありません。これで消費マインドが活性化するなどと考える方が楽天的すぎると思うのですが...。
さらにいえば円高を一方的に悪のようにいう人が安倍信者には多いのですが、行き過ぎた円安は更なる悪です。外貨に対しての円の価値は下がる訳ですから、海外生産中心の大規模製造業以外には深刻な影響を及ぼしますし、輸入過多の日本の状況を考えれば物価上昇が急激に進み、庶民の暮らしは壊滅的な打撃を受けるわけです。
さらに安倍信者の最も信じられない点は政治家を本当に信用しているところです。政治家など権力欲・名声欲・支配欲が人一倍強い人間がなるものであり、いわゆる善人が政治の世界で上り詰める訳がないことなど常識的に考えればわかる話です。そんな人間の行動が全て善意であると思えるという思考回路が信じられません。大体これまでの安倍の発言を考えれば、目指す方向性は自ずと明らかになるのですが。
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 我々が食えなくなる時代は近い
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://jivesnet.homeip.net/mt/mt-tb.cgi/4307
コメントする