AT-F3IIIが発売される?
#今日の内容はアナログオーディオが解る方だけお読み下さい。
既に2010年となり、DJ用途を含めてもアナログユーザーが大きく減っている今日この頃ですが、未だにアナログ関連製品を製造・販売し続けているオーディオテクニカから、いくつか発表事項がありました。
・AT-OC9/III発売
AT-OC9シリーズは、初代の無印ではコイルにPCOCCを採用していることが特徴という、ごく平凡な普及価格帯のMCカートリッジでした。日本国内ではこの一機種に終わったのですが、海外では針先をML(マイクロリニア)とするなどの改良を加えられたAT-OC9/MLIIなど、後継シリーズが存在していました。確か日本では上位に限定モデルのAT-OC30という機種が一時期用意されていた気がします。AT-OC9/MLIIはモデルライフの末期に日本でも逆輸入製品として正規販売が行われ、量販店などでは結構売れていたのではないかと思います。
そんなAT-OC9シリーズの最新機種、AT-OC9/IIIが昨年11月に発売となりました。ただ、価格は初代の2倍以上となる、65,625円となっています。この機種の仕様を見て少々首をかしげたのは、針先形状です。今までのオーディオテクニカ製カートリッジは、ハイスペックモデルの場合ほぼ例外なくML針だったのですが、今回はLC(ラインコンタクト)針が採用されているのです。LC針はオルトフォンの中~上位モデルなどでよく採用されている形状です。これが何を意味するのかは解りませんが、耐摩耗性と音質が両立できているのなら構わないとは思います。
・大ベストセラー機、AT-F3IIの製造中止
かつてのアナログ製品一斉値上げの際に、実に1.5倍の価格になりながらも、それでも他の追随を許さないハイコストパフォーマンスMCカートリッジとして人気を博した、AT-F3IIの製造が中止されました。実は他にもシェル同梱で入門用として広く使われた、AT-15Ea/GやAT-120Ea/Gなど、少しオーディオアクセサリーを扱っている店なら大抵在庫が置かれていたような機種も、全て製造が止まっています。
当初は不採算による機種整理で低価格帯を全て切り捨てたのかと思っていたのですが、AT-F3IIに関しては後継機が間もなく発売されるという情報が流れています。恐らくAT-F3IIの一部に新素材を使うなどして若干キャラクター付けを変えた機種を、2万円台で発売するのではないかと思うのですが、ろくに商売にならないであろうこの分野で、新製品への意欲を見せてくれるオーディオテクニカの姿勢を高く評価したいところです。
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