「Chicago 18」の謎(まとめ)

 私の手元には、現在5枚ほどこのアルバムがあります。内訳はCD3枚(国内通常盤・U.S.輸入盤・国内リマスターSHM-CD盤)とLP2枚(国内盤・U.S.輸入盤)となっています。我ながらよく集めていますね(苦笑)

 今まではやはり手軽なCDで主に聴いていたのですが、このアルバムのCDはどうも音質が良くないのです。いや、厳密に言えばLPでも決して良いわけではないのですが、CDはLPと比べても妙にくぐもった音になってしまうのです。

 そこで久々にLPを引っ張り出してきて、PCを使ってWAVファイルに取り込んでみました。このとき使ったのは別宅のオーディオシステム+D.A.L CardDeluxeです。

 取り込んだデータを自分のPCに持って帰ってきて、CDと聴き比べると音質の違いの他にも気になる点がありました。それは左右から出てくる音がCDとLPで逆になっているということです。別宅のCardDeluxeとオーディオの間で使っているケーブルは左右の表示がわかりにくいので、結線ミスだったのかと思い、今度は自宅のオーディオシステムからPCに取り込んでみました。このときにはECHO LAYLA 24を使っています。

 するとまたもCDとは正反対になります。最初は輸入盤のLPを使っていたのですが、念のため国内盤のLPに変えても結果は同じです。またCDの方を国内盤から輸入盤に変えても結果は同じです。また、「Chicago 18」以外のソースではCDとLPで左右の音が入れ替わることはありませんでした。同じシカゴの「Chicago 19」などで確認しています。

 さらに「Chicago 18」からの楽曲を含むベスト盤を調べてみると、ある時期より前に発売されたベストアルバムでは「Chicago 18」のCDと同じとなり、最近リリースされたものではLPと同じとなります。ただ、先月発売されたばかりの国内リマスターSHM-CD盤では、従来のCDと同じになります。

 これらの材料から判断する限り、本来の制作意図ではLPの方が正しいもので、CDはマスターの制作段階(当時のシカゴはデジタルマスタリングではありません)で、人為的なミスなどにより左右の音が入れ替わってしまい、それが長らく使われてきたということではないかと思うのです。単に左右が入れ替わっているだけではなく、LP盤ではそれほど感じられない高域方向の歪みもCDでは強く感じられますので、いずれにしてもそれほど優秀なマスターではないのでしょうけど。

 そしてある時期以降シカゴの音源を一括管理するようになったライノレコードによるリマスターを受けた音源を使っているベスト盤では正しく修正されているものの、国内でリマスター処理を行ったリマスターSHM-CD盤は従来のマスターの音質調整で終わってしまったためにこれが修正されなかったのではないかと考えられます。

 このネタは「Chicago Navi」さんの掲示板などで小出しにしてきたデータをまとめたものとなっています。

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このページは、JIVEが2010年2月 3日 23:07に書いたブログ記事です。

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