living proof / Robert Lamm
相変わらずアメリカ国内の直販だけではありますが、シカゴの中心人物ロバート・ラムの新作ソロアルバムがリリースされました。
一応直販ページは海外発送対応の申し込みフォームとなっていましたので、発売の連絡が来た時点で申し込みをしておきました。到着は注文から約5日の11日ですので、思ったより時間がかからないものですね。ちなみに送料込みでかかった金額は1,500円少々。円高とはいえ個人で1枚取り寄せてこの金額というのが驚きです。
内容については全10曲ですが、うち1曲は通常版とリミックス版を収録していますので、実質的には9曲ということになります。前作「Bossa Project」はそのタイトル通り前編ボサ・ノヴァという異色作ですので、さらにその前となる「Subtlety & Passion」との比較では、プライベート作という側面が強く出ているようです。
「Subtlety & Passion」は新旧シカゴのメンバーがゲスト参加したほか、その他にも実力派のアーティストが多数参加して、新作を出せないバンドのジレンマをぶつけたような力作となっていましたが、今回は比較的少人数で制作されていて、シンプルかつ実験的な作風が増えています。シカゴからのゲストも、すっかり常連となったベースのジェイソン・シェフの他は、パーカッションで加入したドリュー・ヘスターのみです。
それでも基本的な曲調としては「Subtlety & Passion」を踏襲しているというべきでしょうか。タイトル曲の「living proof」などはシカゴ的な作風ですが、「Out Of The Blue」などはホーンアレンジとジェイソン・シェフによるバック・ヴォーカルこそシカゴ的なものの、それ以外のアレンジはむしろジョン・ヴァン・エプスの影響が色濃く出ている曲です。サウンドの幅という意味ではむしろより広がっているのかもしれません。
個人的なお気に入りは「I Confess」で、この曲などは「Subtlety & Passion」の「Somewhere Girl」に通じる軽快かつキャッチーな作風で、そこに今作ならではの一ひねりあるアレンジが加わることで独特の印象が残ります。昨年届けられたシカゴ2作品よりもずっと満足度の高い作品となっていて、日本でも普通に入手できるようになってくれることを願います。
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