山水電気が民事再生法申請
かつてオーディオ御三家(サンスイ・トリオ・パイオニア)として知られた電機メーカー、山水電気がついに民事再生法を申請したとのことです。
香港のグランデグループに買収された後は国内市場ではもう長らく製品を見ることもなく、既に過去の存在となっていましたが、企業としては一応東証一部上場を維持していました。株価は一桁円が続いていましたが。
私はアンプのAU-α707DRの他、スピーカーのSP-100i、SP-50と未だに製品を愛用していますが、既に10年以上製品を発売した様子はなく、事業内容は過去販売製品のサポートが主なものということになっています。ただ、サポートも実際には別の業者に委託している状態であり、オーディオメーカーとしての実態は既に皆無といって良いでしょう。
民事再生ということで、一応支援者が現れれば事業継続ということになるのでしょうが、事業実態が既に無くなっている山水電気にスポンサーが現れる可能性は低いでしょう。以前なら「SANSUI」というブランドに対する価値を感じる支援者もあったかもしれませんが、今となってはオーディオで商売をしようという企業はまず無いでしょう。せめて何かしら商売になる技術を保有していればまだ違うのですが、サンスイは昔から正攻法できちんとした物量投入による名作を作ってきた企業ですからね。特徴的な技術は意外なほど無いのです。
ちなみに私が愛用している製品としてスピーカーのSP-100iを挙げましたが、このスピーカーは実は既に倒産してしまったスピーカーメーカーであるCORALによる設計らしいです。SP-100iが発表された1987年以降にCORALから新製品が発表された記録はありませんので、実質的にはCORALの遺作と見るべきもののようです。
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AU-D907に始まるダイヤモンド差動回路はSANSUIがオリジナルかどうかわかりませんが、まあSANSUIの特徴的技術かなとは思っています。でもトランジスタの数を多く使うので
>正攻法できちんとした物量投入
のほうが当たっているかもしれませんね。 わたし的にはSANSUIはトランスのメーカでもあります。
ラジヲからアンプのトランスまで。
ST-XXという型番と素性をまだ覚えていたりするのは
ラジオ工作世代ですかね・・・
お久しぶりです。
バランスアンプなどは特徴的ではあるのですが、金に換えられる技術ではないのは辛いところですよね。
トランスについては、分社化されたサンスイトランスの生産ラインが橋本電気株式会社に移管され、現在でもsansuiブランドでトランスを生産しているようです。実はSTシリーズなどもまだ生産を継続しているらしいです。
サンスイの旧ロゴをまだ使っているとは思いませんでしたが…。