「たまこまーけっと」のレコード描写

 「けいおん!」シリーズの制作陣が手がけたオリジナルアニメの「たまこまーけっと」が今月いっぱいまで放送されていました。この作品ではレコードの描写が多くあったため、レコード好きとしてはその部分を注視していました。「けいおん!」シリーズでは楽器の細やかな描画に定評があったスタッフ陣でしたので、話の内容にも絡んでくる部分だけにしっかりと描写してくれることを期待していたのですが...。

 違和感のあるシーン、その1。

tamako.PNG

 画で見る限り、このプレイヤーはアンプやスピーカーを内蔵しているタイプではなく、単品のオーディオ用プレイヤーです。そうなると、プレイヤーには必ずケーブルが2本必要となります。モーターを動かすための電源ケーブルと、トーンアームからの音声信号を出力するケーブルです。しかし、このプレイヤーには電源ケーブルしかないように見えます。このアングルのカットは複数回ありましたが、ケーブルが2本描かれていたシーンはありませんでした。作中での描かれ方を見ても、画では単品のレコードプレイヤーであるにもかかわらず、アンプ・スピーカー一体型であるかのような描写があったのが気になりました。

#そもそも店内にはプレイヤー以外のオーディオ機器が全く見当たりません。

 そして違和感のあったシーン、その2。

tamako2.png

  これは一見すると判らないかもしれませんが、トーンアームの角度がどうも不自然なのです。これだともっと大きなターンテーブル+長いトーンアームでないといけないはずです。このシーンよりもドーナツ盤を再生したシーンはより顕著でした。「けいおん!」の楽器は作画のために実際によく似た楽器を置いていたということでしたが、この作品ではどうもそこまではしていなかったのではないでしょうか。

 レコードを使ったことがない人が見れば何ともない部分だとは思うのですが、日常的に使っている立場からするとどうしても気になってしまうのです。レコードは作品中である程度キーアイテムとなっている部分ですので、この辺りはもっと綿密に描いて欲しかったと思います。作品自体の印象はここでは触れません。ただ、レコード関連の作画資料は写真だけだったのではないかと感じられてしまう辺りに、「けいおん!」の楽器ようなこだわりを感じることが出来ないのが残念です。

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このページは、JIVEが2013年3月31日 20:53に書いたブログ記事です。

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