2014年11月アーカイブ

アベノミクスなどというふざけた政策のメッセージはこの一言に尽きるでしょう。日本に必要なのは数字としての影響力のある経団連企業クラスの人間だけであり、それに満たない企業や零細事業者は邪魔だから消えてしまえということに他ならないということです。

元々政権交代時に景気が少し持ち直したのは、民主党政権で政権と官僚の対立が激しく、事実上国としての身動きが取れなくなっていたことで、必要以上に景気が悪化していた部分が、自民党政権に戻り官僚が協力的に動き出したことと、アベノミクスというかけ声で市場が先に動いたことで好循環への期待感が生まれたこと、さらに安倍政権の経団連企業最優先の政策が投機筋に受け容れられたことという、いずれも好景気の実態とは結びつかない要素が原因でした。

先の見えない有権者たちも、いずれ良くなるのだからという得体の知れない好印象から、一時的に消費活動を活発化したことで、短期的には全てが上手く回るように見えていました。

しかし、安倍政権は賃金は2%以上向上したなどと胸を張っていましたが、そもそもその間の物価上昇率という部分を考えているのでしょうか。増税に便乗値上げが加わり、体感される物価上昇率は10%位はあるのではないでしょうか。

アベノミクスはとにかく数字によるまやかしを多用しています。よくたとえ話として私がするのは、1万人の賃金を1万円ずつ上げるのはかなり困難な話ですが、1億円稼ぐ人間が2億になるのはさほど難しくはないということです。どちらであっても数字を平均すれば同じ結果となるわけで、安倍政権が持ち出す統計は概ねこのような理屈で成り立っています。

当然、同じ話であっても1万人の賃金が変化していなければ、社会のムードでは景気が回復している用には感じられない訳で、むしろ物価上昇率分だけ、より困窮するのです。

厄介なことに、アベノミクスで不利益を被っているはずの層の人たちは、訳のわからない好印象を安倍に抱いていることが多く、政策には全て反対なのに安倍自民に投票するなどという意味不明な行動を取ることが少なくありません。こういう人たちにお願いしたいのは、せめて余計な投票行動をしないでくれということだけです。

正直言って、安倍政権の全てが嫌いな私にとっても、今回の衆院選は難しい選択です。批判票の受け皿となるべき野党があまりにもひどすぎます。政権交代どころか、自分たちの政党の維持すらおぼつかない連中ばかりでは、どこを信頼するべきかといえば何処にも信頼に値する党がありません。そもそも政策面で自民党との差を明確に示せる党がいくつあるでしょうか。それも絵空事ではなく実現可能性を示せるレベルで。

それでも安倍政権を安定化させて自分自身の生活が向上する可能性が皆無である以上、私は間違いなく野党に投票します。

あと、政党ではなく候補者個人への信頼で投票するなどという方へ。現状の政党のあり方では、個人に良心があったとしても、それは全て党議で握りつぶされるものであり、結論としては意味がありません。群れをなすとよりたちが悪くなるのが政治家という人種である以上、そんな無駄な行動は止めて下さい。現状の選挙は個人ではなく政党を選ばざるを得ないということを認識しましょう。

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