音楽: 2008年9月アーカイブ

 今年3月の日本公演を最後に事実上の活動終了を宣言したTOTOの、2007年パリ公演を収録したDVDです。同じライブを収録した同名のCDも発売されています。

 事実上のバンドリーダーであったジェフ・ポーカロがアルバム「Kingdom of Desire」発売直前に死去し、またもう一人の中心人物であったデイヴィッド・ペイチもツアーに同行していない、さらにベーシストのマイク・ポーカロが腕の怪我で休養中という状態のツアーであったため、初期からのメンバーはギタリストのスティーヴ・ルカサーと初代ヴォーカリストのボビー・キンボールのみという、映像で見てしまうと少々寂しい内容です。

 演奏のクオリティはさすがに高いのですが、元々ハイトーンが持ち味であったボビー・キンボールもこの時点で60歳を過ぎていて、かなり高音部が辛そうになっています。他のヴォーカリストが元々歌っていた曲では声が出きらない部分も少なからずあります。

 なによりも問題なのは、やはりドラムの傾向が違うためか、何かTOTOの音に聞こえないのです。サイモン・フィリップスも元々一流のドラマーですし技術も高いのですが、それがTOTOの音といえるのかと問われると首をかしげてしまうのです。

 ジェフ・ポーカロの死を境にTOTOが別のバンドに替わってしまったという事実を改めて実感させられてしまう作品です。ただ、それでも十分に良い作品であることは付け加えておきます。

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