音楽: 2009年4月アーカイブ

 私が持っている旧版の「The Nightfly」を試聴に使った際、現在売られているのかを調べたところSHM-CDで発売されたことが判り、友人が先日来た際に持ち込んできたのです。

 昨日書いた通り、サンプラー盤を聴く限りではSHM-CDの音質はある程度期待できそうでしたので、元々音質に定評があったこの作品ではどうなるか、従来盤と比較してみました。

 1曲目の「I.G.Y」は最近コンピレーション盤などでも取り上げられている、ある程度知られた楽曲だと思うのですが、この曲のイントロを聴くだけで明らかに音質が別物であることは判ります。ただし、SHM-CDの方がほぼ全てにおいて劣っていますが。

 これはSHM-CDという規格が悪いわけではなく、ここ最近の傾向に沿って調整されたリマスターが良くないのでしょう。Blu-Spec CDのサンプラー盤でも見られたように、HDD/メモリ型のオーディオプレイヤー向きの、ダイナミックレンジを狭めて音圧を強くした音です。勿論、オリジナルが持っていた緻密な空間は消え失せています。

 実は最近リマスター盤を買うと、元が高音質だった作品ではほぼ全ての場合、明らかな音質の劣化を感じるのです。元の音質が良くないシカゴなどは聴きやすくなる場合もあるのですが...。

 一応プロが音質をいじっている以上、あくまでリスナーの傾向に合わせて変えているだけで、これが良い音質だと真剣に思っているわけではないと信じたいのですが、この水準を高音質だと思っているエンジニアばかりだとしたら、今後のCDに音質を求めるのは無駄だということになってしまいます。

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