音楽: 2010年2月アーカイブ

 昨日は仕事帰りに駆けつけるという感じだったのですが、今日は休日ということでのんびりと車で東京国際フォーラムへ。駐車場が立地の割には安め(30分200円。有楽町駅目の前ということを考えればという程度ですが)なのですが、日曜の昼過ぎでもまだ十分空きがありました。電車で行くのに便利な場所ですから、車で来ようという発想が皆さんあまり無いのかもしれませんけどね。

 さて、肝心の中身についてですが、セットリストは昨日と同様だったので省略。ただ、演奏の出来も観客の盛り上がりも今日の方が上だったのではないかと思います。昨日は2階に空席が目立っていたらしい(私の位置からは2階は見えませんでした)ですが、今日は満員ということで、まだシカゴにも東京国際フォーラムを埋める程度の集客力は残っていることにある意味驚きました。日本での認識は完全に過去のバンドになってしまっていますからね。

 とにかく残念だったのが選曲で、最新でも「シカゴ17」(1984年作品)からの楽曲までしかなく、ようやく正式リリースとなった「Stone of Sisyphus(32)」や、21世紀に入ってから唯一の完全オリジナル作となる「XXX(30)」辺りから1曲ぐらいは演奏してくれても、と思ってしまいます。

 また、昨年突如脱退したビル・チャンプリンに代わって加入したルー・パーディーニは今回がシカゴの一員として初来日だったわけですが、元々実績のある人だけに演奏・歌唱共に安定した実力を示してくれました。ただ、本人はビル・チャンプリンの後継という意識が強いのか、無理にビル・チャンプリンの特徴をなぞっているように感じてしまう部分がありました。これはある程度回数をこなしていくうちに、彼本来の持ち味がもう少し前面に出てくれば解決するのではないかと思いますが。

 今回は70年代以来となる専任のパーカッション(ドリュー・ヘスター)を加えた編成だったのですが、これによって音にアクセントが加わって新鮮味が感じられたことは好感が持てました。ジェイソン・シェフの喉の調子はあまり良くなかったようですが、それでも全体では充実していただけに、選曲にもう少しアクセントが欲しかったという点だけが心残りです。確かに名曲の多い作品だったとはいえ、デビューアルバムから5曲はさすがに多すぎます...。

 感想などは明日にまとめて書きます。今日はセットリストだけ。続きを読むからご覧いただけます。

 

 私の手元には、現在5枚ほどこのアルバムがあります。内訳はCD3枚(国内通常盤・U.S.輸入盤・国内リマスターSHM-CD盤)とLP2枚(国内盤・U.S.輸入盤)となっています。我ながらよく集めていますね(苦笑)

 今まではやはり手軽なCDで主に聴いていたのですが、このアルバムのCDはどうも音質が良くないのです。いや、厳密に言えばLPでも決して良いわけではないのですが、CDはLPと比べても妙にくぐもった音になってしまうのです。

 そこで久々にLPを引っ張り出してきて、PCを使ってWAVファイルに取り込んでみました。このとき使ったのは別宅のオーディオシステム+D.A.L CardDeluxeです。

 取り込んだデータを自分のPCに持って帰ってきて、CDと聴き比べると音質の違いの他にも気になる点がありました。それは左右から出てくる音がCDとLPで逆になっているということです。別宅のCardDeluxeとオーディオの間で使っているケーブルは左右の表示がわかりにくいので、結線ミスだったのかと思い、今度は自宅のオーディオシステムからPCに取り込んでみました。このときにはECHO LAYLA 24を使っています。

 するとまたもCDとは正反対になります。最初は輸入盤のLPを使っていたのですが、念のため国内盤のLPに変えても結果は同じです。またCDの方を国内盤から輸入盤に変えても結果は同じです。また、「Chicago 18」以外のソースではCDとLPで左右の音が入れ替わることはありませんでした。同じシカゴの「Chicago 19」などで確認しています。

 さらに「Chicago 18」からの楽曲を含むベスト盤を調べてみると、ある時期より前に発売されたベストアルバムでは「Chicago 18」のCDと同じとなり、最近リリースされたものではLPと同じとなります。ただ、先月発売されたばかりの国内リマスターSHM-CD盤では、従来のCDと同じになります。

 これらの材料から判断する限り、本来の制作意図ではLPの方が正しいもので、CDはマスターの制作段階(当時のシカゴはデジタルマスタリングではありません)で、人為的なミスなどにより左右の音が入れ替わってしまい、それが長らく使われてきたということではないかと思うのです。単に左右が入れ替わっているだけではなく、LP盤ではそれほど感じられない高域方向の歪みもCDでは強く感じられますので、いずれにしてもそれほど優秀なマスターではないのでしょうけど。

 そしてある時期以降シカゴの音源を一括管理するようになったライノレコードによるリマスターを受けた音源を使っているベスト盤では正しく修正されているものの、国内でリマスター処理を行ったリマスターSHM-CD盤は従来のマスターの音質調整で終わってしまったためにこれが修正されなかったのではないかと考えられます。

 このネタは「Chicago Navi」さんの掲示板などで小出しにしてきたデータをまとめたものとなっています。

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