音楽: 2010年4月アーカイブ
「シカゴ・トランジット・オーソリティー」とは、日本語に訳すと「シカゴ交通局」となるわけですが、勿論そちらのことではなく、ロックバンド(現在のシカゴ)のグループ名及び彼らのデビューアルバムのタイトルのことです。
私もCDや通常のLPは持っていたのですが、熱心なファンは「Quadraphonic」(4chレコード)のLPを入手してテイクや音質の違いを楽しんでいました。さすがに私の手元には4chのレコードを再生できる装置がありませんので、私が入手しても意味はなかったわけですが...。
ところが先日、アメリカのライノ・レコードからDVDフォーマットを使ってこの4chレコードを再現するというユニークなこのアルバムが発売されました。日本では正式リリースの目処は立っていないのですが、若干数を日本のワーナー・ミュージック・ジャパンが直輸入して自社で通信販売してくれましたので、今回はそれを購入してみました。ちなみに価格は2,936円です。
アメリカ盤ではあるのですが、リージョンコードは1,2,3,4,5,6に対応していて、実質的にはリージョンフリーということになります。技術的にはあくまで普通のDVD-Videoフォーマットではあるのですが、音声トラックがdts 5.1ch(実質的にはそのうちのFL、FR、RL、RRを使って4chを再現)またはDolby Sorround 5.1chのみであり、2ch音声が存在しないのが特徴となっています。画像特典なども一切無く、まさに多chの再現のためだけにDVDフォーマットを採用したことがよくわかる構成です。
私の通常再生環境では2chのヘッドフォン出力だけではあるのですが、幸いPower DVD 9 Ultraにはdts 5.1chソースを2ch リニアPCM(24Bit/96KHz)に変換して出力するという機能がありますので、これで再生しているところです。
DolbySorroundでは音が悪すぎて話になりませんが、dtsからリニアPCMへのコンバート再生ではオーディオ的にもかなり上質です。DVD化に際してリマスターも施されているようで、40年以上も前のアルバムである割には、質感などなかなか頑張っているという印象です。少なくとも通常のCDを単に再生するよりは、このディスクを2c出力した方がずっと好印象です。
そんなわけでかなり楽しめる作品に仕上がっているのですが、日本で正式リリースされることはないんでしょうね...。
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