音楽: 2008年11月アーカイブ
今日は先日亡くなった筑紫哲也氏の追悼番組が放送されました。その番組の最後を飾ったのが、井上陽水が歌ったこの曲でした。
井上陽水という人はあまり音楽番組に出る人ではなく、前回彼の生歌をTVで観たのも、かつてテレビ朝日で放送されていた、ニュースステーションの特別企画であったと記憶しています。
最後のニュースは「NEWS23」のエンディングに使われた曲で、名曲「少年時代」が収められたアルバム「ハンサムボーイ」(1990年発表)に収録されているのですが、詞は番組に合わせたかのようなシリアスなものですが、楽曲としては特に印象に残るものではありませんでした。
しかし、今日のこの曲は強い印象を残しました。普段の井上陽水は歌っているときには明るいイメージが強いのですが、今日は途中から涙声になり声を震わせるという珍しい状態でした。生前の筑紫氏が大ファンであったという事情もあり、それなりに深い親交があったことは想像できますが、泣きながら歌う陽水は私には想像できませんでした。
実は私が買ったわけではなく、珍しく親が買ってきたCDです。
かつて「Impressions」というベスト盤が発売されたことがありましたが、こちらはMoonレーベル移籍後の3作だけからセレクトされていたベスト盤であったのに対して、Expressionsはデビュー以後の全作品を対象としたベスト盤となっています。
Moonレーベル移籍後は夫の山下達郎が全面的にプロデュースしているため、演奏も山下達郎自身やその仲間内のミュージシャンによるものが中心ですが、それ以前はなかなかバラエティに富んだメンバーによる演奏であることが判ります。特に一部楽曲はLA録音なのですが、ジェイ・グレイドンやデイヴィッド・フォスターがプロデュースを担当していて、その縁から故ジェフ・ポーカロやビル・チャンプリンの名前もクレジットに記載されています。
もっとも、アーティストとしての本領を発揮しているのはやはりMoonレーベル移籍後の楽曲ではないかと思います。決して発表している楽曲は活動年数の割に多くはないのですが、厳選された曲だけがリリースされているというべきか、楽曲の水準が非常に高いのです。20年以上前に発表された楽曲を聴いても、懐かしいという感覚ではなく純粋に良い曲だと思えます。歌のうまさももちろんあるのですが、ソングライターとしてはJ-POP界でも最高レベルの実力ではないでしょうか。
最近はJ-POPのアルバムを入手してもあまり長く聴き込むことはないのですが、この作品は久々に長く聴けそうな気がしています。
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