スポーツ関連: 2008年12月アーカイブ

 なかなか珍しい事例ではないでしょうか。自分から勇退を申し出る以外の理由で、翌シーズン終了後の指揮官の退団を、シーズンどころかキャンプ開始前から球団側が表明するというのは、少なくとも私の記憶にはありません。

 以前から書いている通り、私はバレンタイン監督の長期政権には否定的でした。確かに2005年の功績は評価されるべきと思いますが、シーズン成績を振り返ってみると通算6シーズン指揮を執って2位と4位が3回ずつという結果でしか無く、5億円といわれる年俸に見合っている成績とはとてもいえません。特にここ2シーズンほどはあまりの独断専横ぶりが目につく部分もありました。

 ただ、契約がもう1シーズンあるから来季続投としただけであって、球団側が喧嘩を売るようにこの時期に「2010年以降の契約意志は無い」と言い切ってしまい、本当なら今季でクビにしたかったといわんばかりの態度を見せるのはいかがなものでしょうか。ファンや一部選手からの支持が厚い人物なのは確かであり、来シーズンは相当な不協和音の中での戦いを強いられることになることは間違いなさそうです。

 まして、5シーズン連続で指揮を執った監督の後に着任するという、ある意味覚悟を持った後継者のアテはあるのでしょうか。この5シーズンの間に現場やコーチ陣も全てバレンタインの好みに合うように変えられてしまいましたから、方向性が合わない人物が後釜では身動き一つとれない状態に陥りそうです。

 そして最大の問題点は、今季FA資格を得た選手の多くはバレンタインの説得により、権利を行使しないで残留しています。来季終了後は今度こそ主力の大量流出という事態が発生しそうに思えるのです。

 相変わらず経営側が現場の状況を考えずに先走ってしまったという印象が強い解任発表でした。

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