スポーツ関連: 2011年10月アーカイブ

 最大の見所だったのは、読売が単独指名することが確実視されていた東海大学の菅野を、日本ハムがまさかの強行指名して、かつ抽選に勝ち指名権を獲得したことです。巨人ファンや球団はかなりの不快感を示しているようですが、もともとドラフト制度は選手が行きたい球団に行けるようなものではなく、球団もほしい選手が確実に獲得できるようなものでもありません。選手が希望できるのはプロ野球界に入りたいという意思を表明することまでであり、球団は獲得したい選手を表明して、希望が競合した場合は運を天に任せてくじを引くことまでです。選手はどうしても意中の球団に入るという希望を貫くのであれば、今年の指名を辞退して来年以降の指名にかけるという方法しかないわけです。

 昨年、一昨年と巨人入りを熱望していた有力な新人は、「巨人にいけなければ米メジャーリーグにいく」などと他球団が指名を避けるよう動きを牽制するような発言をしていて、結果的に他球団との競合無しに巨人が単独1位指名で獲得するという流れが出来ていました。しかしこれではかつての自由獲得枠と何ら変わりない状況であり、ドラフト制度の理念である戦力均衡化を全く無視していたとしか言いようがありません。今まで他球団がそこに割って入らなかったのは、「プロ野球は巨人を中心に動いている」という思い上がりを素直に受け入れているようなものでした。

 今年の日本ハムはまさに不意打ちのような形での強行指名でしたが、制度上の観点からは全く問題の無い正しい動きです。読売に遠慮して手を引くなどという馬鹿げた行動をしなかったことだけでも大いに評価したいところです。菅野本人が実際に入団してくれるかどうかはかなり微妙なところですが、この一点だけを見ても今年の真の勝者は日本ハムであるといえます。

 事前に人気No.1が伝えられていた東洋大学の藤岡は、意外に少ない3球団の競合であり、しかも12球団の中でも3弱と言うべきチーム(横浜ベイスターズ、千葉ロッテマリーンズ、東北楽天ゴールデンイーグルス)からの指名となりました。結果としてシーズン中は作戦も育成もまるで良いところがなかった西村監督が当たりを引き当てた千葉ロッテが交渉権を得ました。こちらは会見で既に入団を決めているような内容に終始していましたので、まず無難にまとまるでしょう。

 ただ、私は彼のピッチングを一度だけ見ているのですが、そのときの印象はあまり良いものではありません。ちょうどコンディションが良くなかった時期だったのかもしれませんが、あまりボールに勢いが感じられなかったことが気になりました。それでもある程度のレベルで抑えられていた辺りはさすがなのかもしれませんが、大騒ぎされるほどの逸材なのかどうか、今は判断しかねています。

 今日は久しぶりに仕事に取られる時間がほぼなく、1ヶ月半ぶりに休息時間が確保できました。9月は移動しているか会議をしているか、PCに向かっているか電話をかけているかという生活パターンでしたからね。

 そんなわけで、今日は割合放送数が多かったプロ野球の試合を観て過ごしていました。今日の結果如何で、セ・リーグの優勝チームとパ・リーグのCS進出チームが確定するという日でしたからね。

 個人的にはパ・リーグの方はオリックスにCSに進んでほしいと思っていたのですが、オリックスが進出を逃す唯一のパターンである、

・オリックスがソフトバンクに敗れる
・西武が日本ハムに勝つ

が実現されてしまい、3位に埼玉西武ライオンズが食い込むという結果に終わりました。ここ数年の西武の野球がどうも好きになれないわけで、あまりパ・リーグの代表になってほしいチームではないのですが...。中島・中村の主砲2人は本当に良い選手だと思いますけどね。今日は西武の対戦相手である日本ハムが最初から捨て試合のような臨み方をしていたのが残念です。対戦相手がCS進出をかけた試合だったのですから、そこはそれなりに本気で勝ちに行く姿勢を見せるのがプロの姿勢だと思うのですが。

 一方のセ・リーグですが、もともと4試合ずつを残して

・中日が全敗
・ヤクルトが全勝

という条件を満たさない限り中日の優勝が決定するわけで、事実上はほぼ順位が確定している状態ではありました。今日は中日が横浜と引き分けたことで、中日の1位と東京ヤクルトの2位が確定したことになります。

 ヤクルトは昨シーズン途中に小川監督が就任した以降、本当に良いチームになりました。戦力的に見れば中日・巨人・阪神が3強だったはずのセ・リーグで一時は首位を独走する勢いでしたからね。それなりに弱点を抱える選手たちを、監督が上手く使いこなしているという印象です。ただ、監督退任発表後の中日が本来の実力を発揮して、その勢いに飲み込まれたような展開でした。ただ、数年ぶりにセ・リーグの優勝争いが興味深いものになってくれたことは好材料です。

 今年は震災後の開催ということで、色々とスポーツ界も揺れた一年ではありますが、例年通りに内容で盛り上がれたということが何よりでした。開幕前の読売のごり押しで、特にセ・リーグの盛り上がりには不安があったのですが、結果的に巨人・阪神という主役がかすむような活躍をしてくれた、中日・ヤクルトが野球を盛り上げてくれたのが何よりでした。

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