HP 2133 Mini-Noteの最近のブログ記事

 実はここ数ヶ月、HP 2133 Mini-Note PCについてインターネット上の情報を検索してみると、この機種のマザーボード故障について色々な記述を目にするようになってきました。上手くすれば保証期間内に故障するのですが、大抵は保証期間を僅かに過ぎた辺りから、長くても1年半程度で起動不能に陥るというものです。

 私が入手したこの機種は、2008年11月26日に購入していますから、使用期間は1年半に満たないという程度ですが、昨日ついにご臨終いたしました。決してメイン級で使っていたわけではなく、それほど負荷はかけていなかったので1年半近く使えたのかもしれませんが...。

 この症例の場合、HPに修理を依頼するとマザーボード全交換となり、修理代は4万円を軽く超えるそうです。CULVノートPCが充実してきている昨今では、今更このPCに4万円以上払う価値は皆無ですから、残念ながら廃棄します。今では全く通用しない程度の性能しか持たないPCの購入代金に、1年半で約7万円払ったわけですから、費用対効果という意味では最悪の買い物でしたね。

 入手後数ヶ月の間はこのような事態は想定していませんでしたので、このPCについて割合肯定的な記事を複数回掲載してしまったわけですが、決して人様におすすめできる製品ではありませんでした。記事は敢えて削除しませんが、お読みになった方にはお詫び申し上げます。

 いくら保証期間は満了したとはいえ、1年少々で使用不能となる個体が多発しているという状況から鑑みるに、この製品自体が欠陥品だったということはほぼ間違いないでしょうが、現時点においてHPはあくまで通常修理を越える対応はしていないようです。突然死の報告はかなり多数あるのですが、メーカーとしては欠陥は無いものと見ているのか、あったとしても責任を取る必要はないと判断しているのでしょう。

 最近のHPはコストパフォーマンスの高いPCをいくつか発売していて、私も興味を持って見ていたのですが、寿命が1年程度のPCを平然と発売する会社の製品はさすがに怖くて買えません。少なくとも当面はHPのPCをはじめとする各種製品は購入対象からは外すことにします。当然他人に責任を持って勧めることも出来ませんしね。

 今HP 2133 Mini-Noteをお使いの方もいらっしゃるかもしれませんが、現時点で動いているのは運が良いかたまたま大当たりの個体を引いたか、単に突然死を発症するほどにはまだ使っていないかのいずれかではないかと思います。現時点で動作しているのなら、売り払って他の機種を入手されることをおすすめしておきます。HPが何らかの対応をしてくれるのであれば別ですがね。

 一応Impress PC Watch等で表記されているこちらの名称で書きますが、公式製品情報ではページタイトルが「HP 2140 Mini-Note PC」で本文が「HP Mini 2140 Notebook PC」となっていて、どちらが正式名称なのか理解しづらいところです。

 それはともかく、日本発売時に私が酷評したHP 2140ですが、ようやく上位仕様が投入されました。製品情報はこちら

 何といっても大きな改善点は液晶が10.1インチWXGA(1,366x768)となったことでしょう。標準搭載のメモリも2GBとなったほか、プリインストールOSもWindows Vista BusinessダウングレードによるWindows XP Professionalとなり、これでNVIDIAのIONプラットフォームであれば私でも買っているかもという充実ぶりです。

#Atom N270+945GSEである点で踏みとどまれますが。

 さらに注目するべきはSSDモデルが用意されたことでしょう。このSSDはIntel製80GBモデルと公表されていて、簡単に言えばX25-M 80GBがそのまま載っているということになります。

 160GB 7,200rpm HDDモデルと80GB SSDモデルが用意され、価格はHDDモデルで69,930円、SSDモデルで79,800円と、意外なほど価格差が小さいことも見逃せません。HDDが通常1万円弱で買える仕様のモデルであるのに対して、SSDの方は3万円台後半~4万円程度ですからね。私なら迷わずSSDモデルを買って、SSDを取り出して他に転用した上で、320~500GB程度のHDDに載せ替えて使うでしょうね。

 これまで何度か書いてきた第2回 『HP 2133 Mini-Note PC』モニターコンテスト向けの記事ですが、本日が最終エントリーということで、一応まとめ記事を作っておきます。まずは、過去に掲載した記事のアーカイブへのリンクです。

  • HP 2133 Mini-Note: 2009年2月
  • HP 2133 Mini-Note: 2009年1月
  • HP 2133 Mini-Note: 2008年12月 
  •  

     あまりこのコンテストの趣旨に沿った内容が多くないのですが、これはどちらかというと私の見方はハードウェア側からの興味となり、使いこなしという部分があまり重視されていないことによります。また評価記事ではどちらかといえば批判的な見方を する方ですので、メーカー共催というコンテストの性質には全く合致していなかったと自分でも思います。

     それはともかく、丁度この企画が終わる時期になって、HP 2133 Mini-Note PCの後継モデル、HP 2140 Mini-Note PCが日本でも発表されました。ただ、ネットブックとは少々立ち位置が異なる存在であったHP 2133 Mini-Note PCに対して、HP 2140 Mini-Note PCは単なるネットブックとなってしまったことが非常に残念です。特に日本市場では液晶パネルはWSVGA(1,024x576)だけとなってしまい、Microsoftが提唱するULMPCへの対応(これに適合しているとOSが安く提供される)が最優先課題となってしまったことが伺えます。

     ネットブックよりもさらに1ランク性能で劣るものの、液晶パネルの解像度とあまり安さを感じさせない仕上がりで独自性を演出することに成功したHP 2133 Mini-Note PCと、少しの性能向上と引き替えに単なる仕上げの良いネットブックとなったHP 2140 Mini-Note PC。個人的に後者にはどうしても魅力を感じないのです。

     今後暫くミニノートPCを買う機会はないと思うのですが、次に買う機会があればその製品を選びたくなるような強い魅力を感じる製品が存在していることを期待します。私が今どうしてもミニノートPCを買わなければいけない状況であれば、SONY VAIO type Pを、Sony StyleでカスタマイズしてCPUをAtom Z540にして買うでしょう。ミニノートPCの魅力となる点は、性能を犠牲にしてもその製品を使いたくなるような得難い魅力を持っていること、これに尽きるのではないかと思いますから。

     これまでの性能検証の結果、「現代的な性能を持つノートPC」とは表現出来ないと判断して良いと思われるHP 2133 Mini-Note PCですが、ではどう使えば有効なツールとなり得るのかという点について考えてみましょう。

     私が今でも現役で稼働させているPCの中で、実はHP 2133 Mini-Note PCよりも性能面で劣っていると思われるPCが2台ほどあります。まず1台目はNEC PC-9821Rv20/N20改ですが、これは5年前にPC/AT互換機に移行するまでのメインPCだったものです。CPUはPentium III-S 1.4GHz(700MHz駆動)、ビデオカードはGeForce FX 5600 Ultra(玄人志向 CHANPON ZERO3-PCI上に装着)、HDDはUltra 2 Wide SCSIと元の面影が見られないぐらいまでパーツを載せ替えていますが、さすがに現代的な利用方法には耐えられません。この環境はあくまで過去の資産として残してあるだけです。

     残る1台はノートPCで、IBM ThinkPad X24(相当の自作品)を寝床の横に置いておき、これを寝る前のメールチェックやWeb巡回用としています。このPCはCPUがPentium III-M 1.13GHz、メモリが640MB PC133 SDRAM、グラフィックはATi MobilityRADEON 8MB、HDDはTOSHIBA MK4026GAXという構成で、性能的にはどうみてもHP 2133 Mini-Note PCを下回りますが、ほぼ毎日使われる使用頻度の高いPCとなっています。

     何故性能が悪いことを承知の上で毎日使っているのかといえば、この性能で不足を感じない程度の使い方でしか使っていないからです。これと同じ事がHP 2133 Mini-Note PCの場合にもいえるのではないでしょうか。

     前置きが長くなりましたが、性能で劣るPCを使う場合の一つの考え方は「その性能で不満を感じないような使い方に絞る」ということです。純粋にビジネスツールとして使う場合には、恐らくオフィススイート、Webブラウザ、メールクライアント、PDF表示ツール辺りがきちんと動作して、かつ有線・無線でLANに接続できれば大抵の用事はこなせるのではないかと思いますので、HP 2133 Mini-Note PCのパフォーマンスでも全く不足はないと思います。今のところ、私のHP 2133 Mini-Note PCはこのような考え方で環境を構築しています。

     そしてもう一つの考え方は快適ではなくてもとにかく動いていれば使えるという考え方です。極論すれば、例えばニコニコ動画を見ていてコマ送り状態になったとしても、取りあえず見られているのだからそれで納得するということです。ゲームなどは特にこの考え方が成立するのではないかと思います。アクション系では難しいかもしれませんが、シミュレーションやRPGであれば取りあえず進行だけは可能ですからね。特に比較対象がない状況であれば、こんなものかという納得はしやすいのかもしれません。実際に、私も昔使っていたPCのCPUが486SX 25MHzだった時代には、Pentiumや高クロックの486の動きが想像できませんでしたから...。

    #もっとも、MS-DOSやWindows 3.1で使っていたからさほど気にならなかった
    #という面もあります。

     最後に、先程ゲームの話を少し出しましたので、ロースペックPCでも快適に動作する無料配布タイトルを紹介しておきましょう。日本ファルコムの公式サイト上で公開されている「ロードモナーク オンライン」です。

     元々Windows 95時代のタイトルで、動作条件が486SX 33MHz以上というほどの軽さですから、現在手に入るどのPCでも問題なく動作条件はクリアできます。注意点としてはWindows 95専用タイトルであったため、その他のOSで動作させる場合には若干動作に不具合があるということです。特にWindows 2000/XP等でプレイする場合にはゲームの実行ファイルが存在するフォルダの中に「SAVE」というセーブデータ保管用のサブフォルダを、予め手動で作っておかなければいけません。もっとも、Windows Vista環境ではまだ動作を試したことがありませんので、そもそも実行可能かどうかは判りませんが...。

     先日掲載した「HP 2133 Mini-Noteとdynabook SS2100の性能を検証する」について、今時のPCとの比較が無いので、あの結果がどの程度遅いのかがよくわからないという、実にもっともなツッコミをいただきましたので、手持ちで唯一今時のノートPCといえるApple MacBook MB466J/AとHP 2133 Mini-Note PCでの比較を行いました。HP 2133 Mini-Noteの結果は前回掲載のものを流用しています。

     

    Crystal Disk Mark 2.2
     
    HP 2133 Mini-Note PC
    Apple MacBook MB466J/A
    Sequential Read
    56.074 MB/s
    44.369 MB/s
    Sequential Write
    56.718 MB/s
    47.844 MB/s
    Random R 512KB
    23.999 MB/s
    28.467 MB/s
    Random W 512KB
    36.338 MB/s
    35.963 MB/s
    Random R 4KB
    0.324 MB/s
    0.456 MB/s
    Random W 4KB
    1.098 MB/s
    1.372 MB/s

     

     MacBook MB466J/Aの搭載HDDはFUJITSU MHZ2160BHで、WD3200BEVTとは世代差はありません。シーケンシャルではWD3200BEVTが優勢ですが、体感速度的に大きな差はないものと思います。

     

    HD BENCH 3.40b6
     
    HP 2133 Mini-Note PC
    Apple MacBook MB466J/A
    ALL
    29442
    75544
    CPU Integer
    59634
    265098
    CPU Float
    40640
    277276
    Memory Read
    18016
    146175
    Memory Write
    45139
    123698
    Memory R&W
    31619
    240946
    DirectDraw
    59
    30
    Rectangle
    22548
    49000
    Text
    5986
    24800
    Elipse
    7560
    4620
    BitBlt
    186
    379
    HDD Read
    57984
    39233
    HDD Write
    52837
    49612
    HDD RandomR
    5375
    21913
    HDD RandomW
    23073
    20603

     

     メモリがDDR3-1066ということもありますし、内蔵グラフィックとしては描画能力に優れるGeForce 9400Mということもありますが、とにかく次元が違うと言って良いほどの差が付きますね。 

     

    ゲーム系ベンチマークソフト
     
    HP 2133 Mini-Note PC
    Apple MacBook MB466J/A
    ぐるみん
    11601
    65195
    FinalFantasy XI
    954
    8309

     

     もはや同列で比較できるような結果でもないような気がします。MacBook MB466J/AはFinalFantasy XI Bench 3のMode=Highでも5000以上は軽々叩き出します。

     前回の比較ではそれなりの結果を出しているようにも見えるdynabook SS2100ですが、こうしてみると所詮は5年前のPCだということがよくわかります。かつてはモバイル系最強の3DグラフィックといわれたPCなのですが...。

     HP 2133 Mini-NoteのハイパフォーマンスモデルとMacBook MB466J/Aでは実売価格が約8万円違っているわけですが、当然ながらそれに見合っただけの性能差はあるということです。ただ、液晶解像度はほぼ同等(HP 2133 Mini-Noteは1,280x768、MacBook MB466J/Aは1,280x800)ですし、携帯性ではHP 2133 Mini-Noteの方が遙かに勝っているわけですから、あくまでこのPCに見合った使い方というものを考えてやるべきでしょう。

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