雑記・雑談: 2013年3月アーカイブ

 「けいおん!」シリーズの制作陣が手がけたオリジナルアニメの「たまこまーけっと」が今月いっぱいまで放送されていました。この作品ではレコードの描写が多くあったため、レコード好きとしてはその部分を注視していました。「けいおん!」シリーズでは楽器の細やかな描画に定評があったスタッフ陣でしたので、話の内容にも絡んでくる部分だけにしっかりと描写してくれることを期待していたのですが...。

 違和感のあるシーン、その1。

tamako.PNG

 画で見る限り、このプレイヤーはアンプやスピーカーを内蔵しているタイプではなく、単品のオーディオ用プレイヤーです。そうなると、プレイヤーには必ずケーブルが2本必要となります。モーターを動かすための電源ケーブルと、トーンアームからの音声信号を出力するケーブルです。しかし、このプレイヤーには電源ケーブルしかないように見えます。このアングルのカットは複数回ありましたが、ケーブルが2本描かれていたシーンはありませんでした。作中での描かれ方を見ても、画では単品のレコードプレイヤーであるにもかかわらず、アンプ・スピーカー一体型であるかのような描写があったのが気になりました。

#そもそも店内にはプレイヤー以外のオーディオ機器が全く見当たりません。

 そして違和感のあったシーン、その2。

tamako2.png

  これは一見すると判らないかもしれませんが、トーンアームの角度がどうも不自然なのです。これだともっと大きなターンテーブル+長いトーンアームでないといけないはずです。このシーンよりもドーナツ盤を再生したシーンはより顕著でした。「けいおん!」の楽器は作画のために実際によく似た楽器を置いていたということでしたが、この作品ではどうもそこまではしていなかったのではないでしょうか。

 レコードを使ったことがない人が見れば何ともない部分だとは思うのですが、日常的に使っている立場からするとどうしても気になってしまうのです。レコードは作品中である程度キーアイテムとなっている部分ですので、この辺りはもっと綿密に描いて欲しかったと思います。作品自体の印象はここでは触れません。ただ、レコード関連の作画資料は写真だけだったのではないかと感じられてしまう辺りに、「けいおん!」の楽器ようなこだわりを感じることが出来ないのが残念です。

 今月に入った辺りから、メインPCで使っている液晶モニタ、HYUNDAI W241DGの調子が悪くなっています。横にライン上のノイズが頻繁に走るという症状です。

 丁度確定申告の作業で帳簿をまとめていたり、Accessで少し込み入った機能を作っているタイミングであったため、かなり気になっていました。

 この症状はこの機種では既知の症状であり、しばらく電源を切って休ませれば改善するということは判っていましたので、症状がひどくなると作業を一度中断して対処していたのですが、さすがに作業効率は大幅に落ちます。

 気温が高くなると症状が悪化することから、作業が溜まっていて気温が高くなった日には扇風機で風を当てながら何とか作業をしていました。人間は特に暑さを感じるほどの温度ではなかったのですが、このモニターには少々暑かったということなのでしょう。

 ここ数日は少し気温が下がっていることから、症状は安定していますが、このままの状態では夏場を乗り切るのは難しそうです。私の部屋にはエアコンがありませんからね。

 最も無難な対応は、モニターを入れ替えることでしょう。買い換えるほどの予算はなかなか確保できませんが、現在使っているW241DGは2台目に購入した方であり、中央付近の常時点灯1ドットが気になって使っていない1台目がまだ残っていますから。

 ただ、24インチWUXGAという規格のモニター自体が少なくなってきていますから、そろそろもう1台くらい検討した方が良いのかという気にはなっています。アナログRGB入力で水平周波数24KHzをサポートしてくれていないとRv20との併用が難しくなるため、選択肢がより狭まっているというのが悩みどころではありますが...。

 実は3月11日というのは親の誕生日なので、元々忘れようにも忘れられない日なのですが、2011年の3月11日はそれ以上に忌まわしい記憶として忘れようのない日となってしまいました。言うまでも無く、東日本大震災が発生した、その日です。

 本当に被害が甚大だった地域では未だに何も解決しないままの部分も多くありつつ、直接身を以て被害を受けなかった人たちは既に何事もなかったかのように、早く原発を動かせと言い出す辺り、喉元過ぎれば熱さも忘れるとはこのことなのでしょう。原発そのものの是非は議論する余地はあろうかと思いますが、反省も何もないまま動かすことだけに邁進するという姿勢はいかがなものでしょうかね。

 それはさておき、国内でのチャリティー活動も地道には続いているのですが、敢えてこの時期を選んで海外の大物アーティストが来日公演を行いました。それがJOURNEYです。

 今日は今回のツアー初日、東京公演でした。この光景はWOWOWがBSデジタルで中継を行ったほか、全国のワーナー・マイカル・シネマズで中継上映される形でも公開されました。被災地の劇場では無料公開、他の地域での入場料は全て寄付に回すというチャリティー公演の意味合いが強いものです。また、被災地の地方TV曲ではこの公演は後日放送されるようになっているとのことです。

 JOURNEYは元々アメリカのバンドではありますが、現在のリードヴォーカリストはフィリピン人のアーネル・ピネダであり、アジア出身者がいたことが今回の企画に繋がった大きな理由ではないかと思います。

 生憎今回はアーネル・ピネダの喉のコンディションは決して良くありませんでした。それでも元々桁外れの実力の持ち主ですし、少しだけキーを落としたりすることで何とか乗り切っていましたが。少し残念だったのは放送枠の心配があったためか、アンコールがわずか1曲で終わってしまったことです。メンバーの技術にはいささかの不安もないバンドですから、もう少しじっくりと聴かせてくれればと思ってしまいます。

 原発事故後、日本には近寄らなくなった欧米の有名人も少なからずいるのは事実ですが、今回のJOURNEYやシンディ・ローパーのようにわざわざチャリティー活動のために来日してくれる人たちもいるわけで、日本に住む人間としては心強く思います。

 オーディオ用の高級銅線材としてお馴染みのPCOCC(Pure Cupper Ohno Continuous Casting Process)ですが、製造元の古河電工が今年の3月末までで受注を終了することを発表しました。記事はこちらです。

 通常の銅ケーブルは細かい結晶が多数連なって構成されていますが、PCOCCは1つの結晶を成長させて大きくするというもので、単結晶で大きな固まりを生成できることが特徴となります。ちなみに従来の鋳造法でもある程度は結晶を線形に成長させることは出来ますが、この場合にも単結晶とはなりません。この鋳造法は日立電線が手がけていて、一般的にLC-OFC(Linear Crystal Oxygen-Free Copper)と呼ばれます。

 かつてのオーディオ界ではPCOCCとLC-OFCとで人気は二分されていました。もっとも、個人的には金がないことやケーブルに金をかけるより本体に金をかけた方が音が良くなるという考えのもと、ごく普通のOFC程度のものを中心に使ってきましたが。ケーブルの音質は導線そのものよりも、むしろ被膜などの総合的な構造差によるものではないかと思いますし。

 個人的に心配なのは、PCOCCを全面的に採用し続けてきたオーディオテクニカの製品への影響です。特にMCカートリッジのコイルなどは、一時期ほぼ全てがPCOCCという状況でしたので。

 PCOCCの受注は3月末まで、製造は8月末まで、販売は12月末までということで、これに合わせて採用製品の製造も打ち切られる可能性が高いのではないかと思います。圧倒的なコストパフォーマンスを誇ったカートリッジ用のリード線、AT6101などは間違いなく製造中止となるでしょう。数本買っておいた方が良いかもしれません。

 オーディオ市場自体が壊滅的な状況であるだけに仕方ないとは思うのですが、日本企業が最先端を走っていた分野の一つであるだけに、勿体ないという印象です。

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